行政書士の入管業務でのAI活用|在留カード読取り・申請書の下書きと人が確認する4工程
行政書士の入管業務でAIに任せるのは、在留カードの読取り・必要書類の整理・申請書の下書きまで。在留申請オンライン手続で取次者に求められる条件、確定前の確認表、個人情報をAIに入力する前の注意を、入管庁と個人情報保護委員会の資料に沿って整理します。
AIに任せるのは材料整理と下書きまで
行政書士の入管業務では、AIを「読取り・整理・下書き」の補助に使い、申請内容の判断、原資料との照合、確定と提出は人が行う、という分け方が実務的です。
入管庁の在留申請オンライン手続の案内では、弁護士・行政書士も利用対象ですが、申請等取次者として承認または届出を行っていることが条件とされています。AIが文章を生成できても、申請者・取次者の資格や提出責任がAIに移るわけではありません。
このページの工程分けは、入管庁がAIの利用方法を指定したものではなく、ザイリュウ編集部が公開資料を踏まえて整理した作業案です。申請区分や在留資格ごとの提出書類は、案件ごとに入管庁の最新案内で確認してください。
入管業務を4工程に分ける
| 工程 | AI・システムで補助できる作業 | 人が確認すること |
|---|---|---|
| 1. 資料を受け取る | 在留カードなどの画像から項目を読取り、案件にひも付ける | 原本・画像と氏名、番号、在留期限などを照合する |
| 2. 必要書類を整理する | 案件の申請区分に応じた収集リストを表示し、未回収を見える化する | 最新の公式一覧と照合し、個別事情による追加資料を判断する |
| 3. 申請書を下書きする | 確認済みの入力情報から、欄ごとの下書きを作る | 根拠がない欄を推測で埋めず、記載内容と添付資料の整合を確認する |
| 4. 確定・提出する | 締切や作業状態を一覧にする | 権限を持つ人が最終確認し、所定の方法で提出・控えを保管する |
入管庁のオンライン申請Q&Aでは、活動内容に応じた提出書類は原則PDFで添付すると案内しています。AIの下書きができても、添付する資料の収集と提出形式の確認は別工程です。
AI下書きを確定する前の確認表
次の表は、特定の在留資格の審査要件ではなく、下書きの誤りを見つけるための共通チェックです。架空の案件を含め、実際の申請内容は原資料と公式様式で確認します。
| 確認点 | 照合先 | 不一致・不明時の扱い |
|---|---|---|
| 氏名・生年月日・番号 | 在留カード、旅券、依頼者から受領した資料 | 転記の差を解消するまで確定しない |
| 在留期限・申請区分 | 在留カード、案件の経緯、最新の申請案内 | 期限や区分をAIの推測だけで決めない |
| 勤務先・報酬などの事実 | 契約書、証明書、所属機関の確認済み情報 | 資料にない数値・経歴は空欄または要確認にする |
| 添付資料・提出方法 | 入管庁の当該手続の最新一覧とオンライン申請案内 | 旧様式や別区分の一覧を流用しない |
「自然な文章になっている」ことは正しさの証拠になりません。下書きの各項目について、元資料をたどれる状態にしてから確定します。
個人情報をAIに入力する前に
在留カードや旅券には個人情報が含まれます。個人情報保護委員会の注意喚起は、個人情報を含むプロンプトの入力が特定された利用目的に必要な範囲内かを確認し、サービス提供者が入力データを機械学習に利用するかなども十分に確認するよう求めています。
- 使うサービスの利用規約・プライバシーポリシーと、入力データの取扱いを確認する。
- 試行段階では、実在の依頼者情報を入れず、架空または適切に加工したデータで手順を確かめる。
- 本番利用では、入力する項目、閲覧権限、保存先、削除方法を事務所内で決める。
- AIの出力に個人情報の誤りが混じる可能性を前提に、元資料との照合を残す。
入管業務向けツールで確認したいこと
文章生成だけを導入しても、依頼者、案件、必要書類、在留期限が別々の場所にあると、下書きのたびに情報を集め直すことになります。ツールの比較では「AIが何を書けるか」と一緒に、案件の元情報と確認状態を管理できるかを見ます。
- 在留カードの読取り結果を、画像と見比べて修正できるか。
- 必要書類の回収状況と、誰が確認したかを追えるか。
- AIの下書きを人が確認・確定する手順があるか。
- 在留期限と、資料回収・提出の作業期限を分けて管理できるか。
ザイリュウは依頼者・案件、必要書類、在留期限をまとめて管理します。AIによる読取り・下書きの利用方法はプランにより異なります。まずは初期設定を含む14日間の無料トライアルで、ご自身の事務所の確認手順に合うかお確かめください。
制度上の提出時期や書類の具体例は、特定技能の定期届出の記事でも確認できます。
案件管理や期限通知を含めた選定には、行政書士の入管業務ソフトの比較・選び方も参考にしてください。
出典
オンライン申請と個人情報に関する記載は、2026年9月29日時点で確認した以下の一次資料に基づきます。手続の実行前には最新版を確認してください。